銀行員にはノルマがあることを知ってますか?
具体的にどんなノルマがあるかまで知ってますか?
もしあなたやあなたの周りに「銀行への就職や転職」を志望している人がいたら
この記事を是非紹介してあげてください。
秒速で志望業種を変える決心が出来ますので。
それではノルマについて全てを紹介しましょう。
前提として支店で働いている地銀の融資担当者を例に挙げてみます。
全ての銀行員のノルマは半期(4月~9月、10月~3月)で管理されます。
期初に目標(ノルマ)が付与され、よーいどんでノルマをこなす戦いが始まります。
具体的には以下のような項目があります。
- 新規融資先の開拓件数
- 新規融資先への融資実行金額
- 既存取引先への融資実行金額(純増管理)
- 貸出先数の純増件数
- 各月末の担当先の合計融資残高金額
- 各月の担当先の合計融資平残目標
- 住宅ローンの職域開拓
- 保証協会付き融資の新規実行件数
- 保証協会付き融資の新規実行金額
- 新規外国送金先の開拓件数
- 外国送金取引金額
- 外国送金手数料(円転手数料などを含む)
- 信販会社(関連会社)のカードローン作成件数
- 信販会社(関連会社)のクレジットカード作成件数
- リース会社(関連会社)の取引先への紹介及び取引開始件数
- リース会社(関連会社)の取引先への紹介及び取引開始金額
- 金融3商品(投信・保険・外貨)の新規口座開設件数
- 金融3商品(投信・保険・外貨)の販売金額
- 金融3商品(投信・保険・外貨)の販売手数料
※以前はこれらにプラスしてデリバティブ収益金額もノルマとしてありましたが、リーマンショックで大幅な円高となり、ほぼすべてのデリバティブ契約がノックアウトしました。
実需がない(実際に海外からモノを輸入する必要が無い)会社への、長期為替予約(デリバティブ)を儲かるからと売りまくっていた時代がありましたが、全部ダメになり、大きな損害を顧客に与えた銀行が山ほどありました。その当時の銀行は本当に悲惨だった。。
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なかなかのボリュームですよね。
正直言うと、銀行員で自分のノルマ項目を全て言える人は少ないと思います。
項目が多すぎるので覚えきれないんです。
何かにメモして、それを時々見ながら「このノルマは◯月に達成させよう。それまでは
何もせずに◯◯の項目に注力しよう。」といった感じで仕事をしている人が多いと思い
ます。
上記19項目に及ぶノルマをこなしながら、上司へのゴマすり、後輩の教育、3か月に
1回実施される歓送迎会の幹事、上司によっては毎日のように続く飲み会へのお供など
があります。
ノルマを達成するとある程度褒められますが、給与や賞与に直結するかと言ったらそう
とも言い切れません。
銀行員の評価(昇格)は、以下の3要素で決まります。
- 個人業績
- 必要資格取得
- 支店長からの推薦
個人業績は上記19項目をどれだけ達成できたかで判断できます。
これは半期だけではダメです。継続して好成績を上げていく必要があります。
必要資格取得について
銀行員が働きながら取得しなければならない資格は以下のようなものです。
- 証券外務員1種
- 簿記1,2,3級
- 銀行業務検定(以下に詳細記載)
- 法務1,2,3、4級
- 税務1,2,3、4級
- 外為1,2,3、4級
- 財務1,2,3、4級
- 営業店管理1,2
- 金融経済1,2,3、4級
- 法人融資渉外1,2,3、4級
- 金融リスクマネジメント1,2,3、4級
- デリバティブ1,2,3、4級
- 信託実務1,2,3、4級
- 事業性評価1,2,3、4級
全て1~4級まで存在したかは覚えてません。ほとんどは4級からスタートしたと思い
ます。ただ、4級なんて取得しても何の評価にもなりません。
ちなみに銀行では、資格試験に不合格になると人間扱いされなくなります(笑)
支店長や副支店長に呼び出され、「お前はこんな簡単な試験も受からないのか!」
と延々と説教されます。
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それともう一つ重要なお知らせがあります。
これらの資格は銀行以外で働く場合=他業種に転職する場合に全く価値のない資格
です。唯一活かせるかもしれない資格は「簿記」くらいです。
1回目の受験料や参考書・問題集の費用は銀行側が負担してくれます。
万が一不合格になった場合、2回目以降の受験料や参考書代は自腹です。
試験は大学などの会場で、必ず土日に実施されます。
当たり前ですが試験に行っても給与はでません。
さすがに全ての資格を取得している人はいません。
なぜなら昇格に必要な資格が決まっている場合が多いからです。
例えば課長代理になる為には、
必須科目として、証券外務員1種、簿記2級
選択科目として、上記銀行業務検定の2級以上を5種類以上
といった感じです。
比較的簡単と言われる科目が人気になります。
銀行によっても取得しなければならない資格は多少違うと思います。
ここからは今までよりもさらに理不尽な話になります。
ノルマをこなし、資格取得も充足したが、昇給昇格が出来ないケースが多いです。
何故なら支店長に推薦をもらわないといけないからです。
意地悪な支店長はなかなか推薦してくれません。
支店全体の目標(ノルマ)が達成できていないのに昇格推薦者を出すわけにはいかない
という暴論から、すごく優秀な担当者であっても推薦しない支店長もいます。
銀行で昇格、昇給するというのは、いい支店長との出会い、運、タイミングなどが
上手く噛み合わないと、どんなに優秀な担当者でも同期に先を越されていきます。
こんなに理不尽なのに何故世の中に銀行員が多いか分かりますか?
大体の銀行員は保守的な性格の持ち主です。まず転職を悪と考えます。
なので基本的に辞めないのです。辞めるとしたら入行(入社のこと)3年目までが
圧倒的に多いです。まだ染まる前に逃げるといった感じでしょうね。
あと、中途半端に5年とか10年勤務すると、思考が完全に「ザ・銀行員」になってい
くので、平日はクソ忙しくノルマをこなし続け、土日は資格のお勉強をする生活が普通
になっていきます。まぁ思考停止ですね。
こういう精神状態、思考状態になると一生銀行に勤める確率が上がります。
そういった不条理に耐えられる自信がある方は、銀行への就職もアリかもしれません。
AIの発達により銀行業務の一部は機械が行う時代になると言われています。
実際にもう窓口業務はAI化され、人が極端に少なくなっています。
入行しても厳しいことしかないことは自明ではありますが、
それでも銀行で働きたいんだ!という強者は、挑戦してみてくださいませ。
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