新型コロナウイルスが世界的に蔓延し、飲食、アパレル、イベント、運輸、ホテル、
結婚式場など多くの業界で満足に売上が立たずに悲鳴が上がっています。
ここまで世界的に自粛ムードが高まってしまうと、人を集客して稼ぐ業態は壊滅的でし
ょうね。私は微力ながら毎日飲食店に行って飲み食いをし、あえてお金を使うようにし
ていますが、焼け石に水でしょう。
とりあえず今の過剰な自粛ムードが収まるまでは、厳しいのは間違いないかと思いま
す。
日本国内にある会社のうち、中小企業(小規模事業者を含む)の比率は99%を
超えます。会社の数からみると、大企業より中小企業が圧倒的に多いです。
企業数としては全体の1%弱でしかない大企業※で働く人の比率は、給与所得者の
うち全体の25%程度でしかありません。
※大企業の定義を従業員数1,000人以上とします。
- 従業員1,000人未満の会社(中小企業)が日本国内で99%を占める。
- 中小企業で働く給与所得者は全体の75%を占める。
まあ道を歩いていて4人に会えば、そのうち3人が中小企業で働いているということで
す(超ざっくりで言ってます)。
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中小企業は大企業よりも企業体力が弱いことのほうが圧倒的に多いです。
大企業はこういう世界的な不況に直面しても、内部留保を厚くしている(カネを貯め込
んでいる)会社が多いので、倒産しまくることはありません。
問題は大多数を占める中小企業です。
中小企業は何か悪い事が起きれば秒速で倒産する会社が結構あります。
ここまでの悪い状況を想定した経営を行っている中小企業の社長さんなんて、
全体の1割くらいいればいい方だと思います。
ほとんどの場合、中小企業は銀行から融資を受け続けないと資金が回りません。
銀行から借入をしないと資金が回らない会社というのは、別に悪い会社だからというわ
けではなく、優良企業でもそういうものです。
一つ例を考えてみましょう。
中国から安くモノを仕入れて、日本国内で販売する卸売会社があるとします。
商売の順番から見ていくと、まず最初に行うのが中国からモノを仕入れることから始め
ます。売上を上げるためには、モノを先に仕入れて在庫として置いておく必要があるか
らです。
この会社の場合、入金(売上)の前に支払(仕入)が必要な為、資金需要が生じる
わけです。これを運転資金と言います。
世の中の大半の会社は、これに似た商流で事業を行っています。
この運転資金を満たすために、銀行から融資を受けるわけです。
運転資金が必要のない業態も中にはありますが、ほとんどの業態では、入金より先に
支払が先行します。
現在のコロナウイルスによる過剰自粛ムードの蔓延により、売上が大幅減になっている
会社が非常に多いです。先に支払(仕入)が発生し、それを販売しようとしてもモノ
が売れない状態に陥っているので、ますます資金繰りが厳しくなっていきます。
ここでも資金需要が生じ、銀行から融資を受けることになります。というかこういう
状態だと銀行が融資をしてくれないと資金ショート=倒産することになるわけです。
企業が存続できるかどうかは、カネが足りるかどうかにかかっています。
現在多くの中小企業は、資金が足りなくなる事態に陥っているので、銀行に融資を申し
込んでいます。全ての申込に対して、銀行が融資を実行すれば問題は無いのですが、
銀行も商売なので、返済の見通しが立たないような中小企業にはカネを貸しません。
銀行からカネを貸してもらえなかった中小企業は、保有する資産(土地・建物)を売却
するとか、従業員をリストラして人件費を抑えたり、社会保険料をわざと滞納したりし
て数か月間資金ショートをしのぎますが、結局はカネが尽きて倒産していきます。
正直私から言わせてもらうと、どんなに赤字だろうが、債務超過だろうが、不景気
だろうが、私がその中小企業の資金調達を担当すればほぼ100%融資を受けられ
る自信があります(最低限の条件を満たしていればですが)。
銀行の融資審査の方法をきちんと理解して交渉に臨めば、反社でない限り借入は可能
です。
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私が特別で優秀であるということを言っているのではありません。
世の中の中小企業の経営者や銀行窓口になっている責任者は、カネを工面することに
関してど素人が圧倒的に多いんです。
ど素人であることに気づかず、知ったふりをして銀行と交渉している人たちが多すぎ
ます。
技術力もあって、優秀な人材を雇用できているにも関わらず、一時の不況によって資金
繰りが悪化し、銀行から借入が出来ずに倒産する中小企業を見ていると、本当にもった
いないなぁと思います。
銀行からの資金調達に困っている会社があって、銀行との交渉を外注に出しても構わな
いと思っている経営者・財務責任者がいるのであれば、私に出番があるかもしれませ
ん。
毎回不況になって倒産情報が多くなるのを見ると、こういう思いが頭に浮かびます。
そのうちこういう仕事でも始めようかなと思う今日この頃です。
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