蒼竹ヌーDX

海外FXで稼いでいるので良さが伝われば嬉しい。あとは好きなことを書くブログです。

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信頼する部下が退職するかもしれない

最も信頼する部下から転職を考えているという相談を受けた。

あまりの衝撃に絶句してしまったが、冷静さを取り戻して諸々の事情を探ってみたところ、引き留めていいものかどうか判断に迷う状況に陥っている。

 

部下は私より年上だが、とても優秀な人だ。仕事が出来て、人当たりも良く、他の社員からも一目置かれるほどスマートな仕事をする。私も部下も転職組で、お互いが働いていた会社は全く異なる業種だが、優秀な人というのはどこの会社に行っても優秀なわけで、どの業界にいようが特に関係は無い。

 

部下は現在人事関連の業務責任者として活躍してくれている。中途採用メインでの採用活動をしながら、会社の様々なルールや規定を刷新し、現在は評価関連の制度見直しに着手してくれている。会社は成長フェーズにあるから、成長に応じて様々なものを刷新していかないといけない。それをストレスなく涼しい顔でこなしていく彼は本当に凄い。もちろん彼一人でやっているわけではないが、常に中心にいるような人材だ。

 

元々その部下が入社してくれた時の面接官は私だった。まだ社員数40人程度の会社だったが、業績を急拡大させていこうとしていたから優秀な右腕が欲しかった。面接時には明確に自身のビジョンを持っており、やる気に満ちていて、こういう人と一緒に仕事が出来たら楽しいだろうし、会社にとっても大きくプラスに働くだろうなと思わせられる面談内容で、即決で採用した記憶がある。

 

私が勤める会社は、従業員200人程度の中小企業。彼も私自身も元々は大手上場企業に勤務していた。大企業特有の閉塞感が嫌で、自分の実力をベンチャー企業で大いに発揮したいという願望があって伸び盛りの会社に転職した。自分の会社を褒めるのはおかしいかもしれないが、社員を大切にするいい会社だと思う。会社は社員のためにあるもので、社員を豊かにするために存在し、それを実現するために商売をやっているというのがウチの会社が存在する目的。

口で言うのは簡単だが、会社は本気でそれを実現しようとしていてあらゆる手を尽くしている。

 

私は幹部としての地位にある。会社がどういう思いで存在するかは常々全社員に説明している。もちろん仕事だから厳しいこと、辛いことは誰にでも少なからずある。ただ、理不尽に感じるほどの辛さや忙しさ、厳しさがあるなら積極的に改善するから即座に報告するように周知している。そもそもそうはならないような仕組みづくりも行い実践している。

 

社員の平均年収は、業界大手企業と遜色ない金額を支払っている。むしろ最大手の会社よりも平均年収は高いかもしれない。社員も会社に対して満足してくれている人が多く、離職率はかなり低い会社だ。

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「会社は社員を豊かにするために存在する」

これを体現するために、細かなルールや規定を実務的に実行してくれているのが私の部下。その彼が退職しようか悩んでいる。。。

 

何故退職したいのか、理由を聞いてみたら以下のような回答がきた。

・自分がやりたいことが見えなくなってきた。このままでいいのか疑問に感じながら仕事をしている。

・正直自分が何をしたいのかが分からない。モヤモヤしている。

・転職してもそのモヤモヤが簡単に取り除けるとは思わないが、転職という行動を起こして新たな環境に身を置かないと変わらないんじゃないかと思っている。

・会社での仕事、与えられた役割、報酬。そういったことに何も不満は無く、むしろ満足している。転職してきて本当に良かったと感じている。

 

こんな内容の相談だった。

 

私の思いは以下のような感じ。

・彼はもうすぐ40歳。まだまだ働き盛り。仕事もできるからどこの会社に行こうが絶対に活躍できる。

・彼の転職を希望する理由にはイマイチ腹落ちしないが、言っていることは何となく理解できる。仕事をしていると感情に波があるから、あるタイミングで「このままでいいのか?」と考えることは私にだってある。

・彼を引き留める行動を取るのは簡単だが、仮に引き留められたとしても彼を苦しめることにならないか正直分からない。

 

他の部下が「転職したい」と言ってきたことが過去に2度ほどあった。その際は、「何故そうしたいのか」を深掘りして、問題を特定し、それを解決することで退職する理由を無くして慰留した。今でもその子たちは元気に勤務している。その子たちと言ってはいるものの、どちらも私より年上だが。

 

ただ今回相談してきた部下は、過去に転職の相談してきた部下とはレベルが違う。本当に市場価値の高い人材だ。人に優劣をつけるのは良くないかもしれないが、私が出会ってきた人の中でも上位5%の優秀な部類に入る人材だ。

 

こういう部下が転職したいと言っている。でも理由が明確ではない。何となくモヤモヤがあって、転職すれば解決するかもしれないというものだ。

 

他の部下と同様に、退職したい理由を深掘り→整理→問題点を抽出→問題点を解決というアプローチは可能だが、優秀な彼は自身でとっくにそんなことはやっているはずだ。実際に確認してみたが、様々な面から考えていると言っていた。ただ、何となくモヤモヤが取れないらしい。

 

今の会社が成長していくには、彼が必要だ。間違いなく。

部下もそれを自覚している。でもモヤモヤが消えない。

 

正直言って今回の部下の退職希望の相談に対して、彼にとって有益な答えを出せていない。本当に情けないが。利己的なことだけを考えるなら、慰留するという選択になるが、彼ほどのキャリアを積んでいる人材の場合、一般社員と同様に扱っていいのか疑問がある。

 

今回の件では、慰留するというより、腹を割って私が思っていること、偽りのない考えを彼に言うだけにしようと思っている。転職は誰にでもある権利だし、それを阻害することは出来ないはずだ。特に優秀ではないが、いてもらったほうがいいといった程度の人材には引き留めは有効だし、するべきだと思っているが、本当に優秀な人材にはそれは不要だというのが私の持論だ。

 

誰にも相談できない悩みをブログに書いて少し楽になろうとしている自分。こんな上司だから駄目なんだろうな。

 

 

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